イトーヨー葛藤

ドラゴンクエスト8を買うという崇高なる目的に立ちはだかる壁、それが公共料金。彼らはまるでエジンベアの衛兵のように、僕が右からすり抜けようとすると右へ、じゃあ左からじゃいと身を翻せば左へ、第三形態のフリーザさまのような超反応で僕の動きを阻止し、「いなかものは、払え!」と脅してきます。本当に融通がきかない大馬鹿者ですね、公共料金というのは。脳味噌ついてんだろうか。親の顔を見たい。や、別に払ってやってもいいんですけどね、僕は大らかで器がでかく、「ねえ、そのポッキー一本ちょうだい」って言われても少ししか嫌な顔をせずにあげちゃうくらいの大人物ですから、公共料金なんぞにブツブツ言うのもくだらねえとは思うんですよ。でも、くだらねえと呟いて冷めたツラして歩くなんてことはしません。今日もまた今宵の月のように輝くような真似はしません。譲れないだけなんです。ゼシカさんのおっぱいを、少し学術的に表現するならばゼシカ的胸部振動器官を、少し夢見がちに表現するならばゼシカたんのオパーイを、僕は見逃すわけにはいかないんですよ。だから公共料金は払えない。たとえ公共料金親子が一杯のかけそばを二人で食わざるを得ないほど切羽詰まっているとしても、ビタ一文出さぬ。「母ちゃん、ひもじいよう」だなんて、泣き落としは僕に通用しない。「我慢しな、明日はステーキを食わしてやっから」「母ちゃん、そんなこと言って、一回も食わしてくれたことないじゃないかよう」「ごめんね太郎、ごめんね」「母ちゃん、苦しいよう」、は、払うものか、だ、誰が、「いつか二人で牛丼をいっぱい食べようね太郎、牛丼太郎で」「安物だよ母ちゃん」



一枚の福沢諭吉と引き換えに僕は人の心を手に入れた。でも、揺らめくオパーイはそこにはなかった。