散財者はかく語りき

まったくもっておかしい。おかしいにもほどがある。なぜ、なぜ公共料金を払いに行ったはずなのに、家に帰ってきてみたら本が増えているのだろう? そして公共料金の払い込み票に領収印は押されていない。つまり払っていないということだ。公共料金を払うために出かけたはずなのに、だ。だいたいこの二冊の本は何だ。拾ったのかな、それとも貰ったのかな。いや、でもそれじゃあ漱石先生と英世先生がいなくなった財布の説明がつかん。おかしい。買った? なに、僕はこの期に及んで、これほど赤貧だジリ貧だとわめきながら、漫画を買ったのか? 一日三食をインスタント・ラーメンにしてまで、ゼシカたんの乳房を愛でるためにお金を節約していたというのに、僕は何をやっているのだ? なにが、冬目景だ。なにが、『文車館来訪記 (KCデラックス アフタヌーン)』だ。なにが、初単行本化だ。なにが、オールカラーだ。こんな綺麗な絵、僕が見逃すとでも思っていたのか、馬鹿者め。1200円? それに、『ラブロマ』? たった500円、あわせて1700円の出費じゃねえか、ヘッ、痛くも痒くもねえ。ガスなんかより水なんかより電気なんかより大切なものが俺にゃああるんじゃい。かかってこい、冬。暖房? お湯? そんなもん、クソくらえだ、そんなもんは必要ねー! BINBOUNINの目に映るのはただひとつ! ゼシカたんのオパーイ!(註・筆者は赤字覚悟でドラゴンクエストを買うことを決意した)