the pillows 『TURN BACK』 総評っぽいもの

mikadiri2004-06-22

20回くらい聴いたわけですが(聴き過ぎ)(ごはん食べるのも忘れてた)、やっぱり素晴らしいアルバムです。セルフカバーというと、自身の曲をより良くするために試行錯誤するというイメージがありますけれど(くるりが『東京』という曲に対して行っているアプローチはまさにそんな感じだと思う)、ピロウズはそんなに難しいことは考えていませんね。単に「今の俺らがあの頃の曲をやったらどうなんだろう?」っていう好奇心から始まっている、と思います。その結果「やっぱカッコイイじゃねえかアゥイエー」ってことになり、「みんなに聴かせたいぜアゥイエー」ってことになる。自然体ですね。ロックバンドとして、というかミュージシャンとして全くの自然体。なのであまり手の込んだアレンジはしておりません。基本的に原曲どおり。だからこそピロウズというバンドの成長っぷりがはっきり聴き取れます。
ピロウズのファンには絶対にオススメできるアルバムですが、ピロウズをあまり聴いたことのない人にも聴いてほしいです。いや、僕はいっつもそのようなことを言ってますけど、今回も言っちゃいます。万人にオススメできる好盤です。「僕らのハレー彗星」なんて、原曲は飽きるほど聴いてるというのに、まるで新曲を聴いたときのような興奮を味わえました。こんな瑞々しいアルバムをピロウズファンだけが楽しむのはもったいないですよ。あ、あとジャケット。これ素晴らしい。最近のアートワークの迷走っぷり(個人的に、ですよ)が嘘のようにシンプルで。ブレーメンの音楽隊が後ろを振り向いてるって様子ってなんか間抜けてて笑えますね。